ウイルスへの感染が広がるのを防ぐための三密と、漏れなくだぶりなくの MECE

 新型コロナウイルスへの感染を防ぐために、自粛が求められている。

 西洋の社会では、社会的な距離をふだんのときより以上によけいにとることがウイルスへの感染の広がりを防ぐためにいるのだと強調されているようだ。人どうしのたがいの距離をできるだけ開けることが大事になる。

 密閉と密集と密接を避ける三密が日本では言われている。疎密ということでいうと、密は悪くて疎はのぞましい。

 西洋と日本を比べてみると、西洋は個人主義で自立した絶対の主体で、日本は集団主義で関係の主体だと社会心理学では言われる。西洋よりも日本のほうがより三密になりやすいところがあるかもしれない。三密への違和感があまりない。

 三密とは別に、ウイルスへの感染の広がりを防ぐためにとられる手だてについては、疎であるのはよくない。これは漏れなくだぶりなくの MECE(相互性 mutually、重複しない exclusive、全体性 collectively、漏れなし exhaustive)を当てはめたさいのものだ。

 手だてにおいて疎であるのは、漏れがあることを示す。三密は避けよと言っておきながら、大都市での通勤や通学による過密な満員電車がそのままになっているのはつじつまが合いづらい。満員電車がそのままになっているのは、三密を避ける中で漏れがあることをあらわす。

 ウイルスへの感染の広がりを防ぐ手だてにおいては、疎にはならないようにすることがよいのだと MECE を当てはめたさいには言える。手だてについて漏れがあったりだぶりがあったりするのだと抜かりがあることになるから、有効な手だてをとっていることにはつながりづらい。漏れやだぶりのないしっかりとした対策がとられることがいる。