桜を見る会とその前夜祭について、首相が反省をするよりも前にまずやるべきだろうこと―体系による要因の分析と危機管理(危機への対応)

 反省はしているんです。桜を見る会とその前夜祭について、首相はテレビ番組のインタビューの中でそう言っていたようだ。

 首相が反省しているのかどうかは、はたからは確かめようがない。反省ではなくて、体系による要因の分析をするべきではないだろうか。危機管理によって、(危機の回避ではなくて)危機へ対応せよということだ。

 首相がやるべきことは、じっさいにやっているのかそれともやっていないのかがはっきりとはしない反省ではなくて、きちんとした体系による要因の分析であって、複数の要因をもれなく洗い出すことにあるのだと見なしたい。

 すじ道としては、しっかりとした体系による要因の分析をしていって、危機管理において危機の対応をして行く。首相は当事者だからそれをするのができづらいだろうから、首相は責任をとるのにとどめて、ほかのことはほかの第三者に任せてもよいのだが(そのほうがうまく行くかもしれない)、それをしていって、わかったことや明らかになったことをふまえて、そのあとにどうするのかを決めるようにする。

 反省をじっさいにしているのだか、それともしていないのだか、よくわからないのがあるから、もうひとつ信用が置けないのがある。やるべきなのは、価値のすり合わせであって、それがすり合わされるのでないと、信用をすることができない。不信をいだかざるをえない。少しでも不信を払しょくして行くには、すじ道を通すようにして、危機管理によって危機への対応を体系としてきちんとやって行くよりほかにはない。それを抜きにしているのだと、価値がすり合うことはないだろう。

 参照文献 『危機を避けられない時代のクライシス・マネジメント』アイアン・ミトロフ 上野正安 大貫功雄訳 『企画力 無から有を生む本』多湖輝(たごあきら) 『信頼学の教室』中谷内一也(なかやちかずや) 『考える技術』大前研一