与党と野党とで、どちらがより頼りになるか(ならないか)と、それとはちがう見なし方―創造性の MRS 理論によって見てみたい

 与党よりももっと頼りないのが野党だ。頼りない野党よりも少しはましなのが与党だから、与党を支持するしかない。野党と比較すればまだいまの与党である自由民主党はましだというのである。

 与党と野党とどちらが頼りになって、どちらが頼りにならないのかというのではなくて、政治家や政党に何をのぞむのかの点で見てみたい。そののぞむことには創造性がある。

 創造性には MRS 理論というのがあって、動機づけ(モチベーション)と資源(リソース)と技術(スキル)によるとされる。この三つはお互いに生かし合いもして、殺し合いもするという。一つがよくなれば他もよくなるというよい循環にもなれば、一つが悪ければ他も悪くなるという悪い循環にもなる。

 創造性の MRS 理論で見てみると、与党の創造性はいちじるしく低いのだと言わざるをえない。これはあくまでも個人の評価づけであって、客観というのではないから、ほかにも色々な見なし方ができるのはあるだろう。

 個人としては、かなりからい見なし方をするとすれば、いまの与党である自民党には創造性がほとんどない。国民に広く益になるようなことをするという内発の動機づけがあまり感じられず、感じられるのは数字として目に見える評価を得たいという外発の動機づけの高さだ。

 資源の点では、日本に広くさまざまにある色々な利用できる資源を十分に使えていなくてその多くを無駄にしてしまっている。宝の持ち腐れになってしまっている。技術という点でもそう高くはないだろう。

 政治家の個人の創造性と、その集団である政党の創造性と、それらをとり巻く環境の創造性というのがあって、それらを少しでも改めていって、非創造的になっているのから、創造的になるようにできればよい。それができるのであれば、いまの与党である自民党でなくてもよいし、野党であってもよいのである。それができないのであれば、いまの与党である自民党ではないほうがよいし、野党にもまたきびしい目を向けたい。

 政治をどういうふうに見なすのかには色々な視点があるだろうから、たんに創造性だけですべてがこうだと決めつけるのは正しいとは言いがたいことだろう。何に重きを置くのかでは、個人としては創造性はかなり重要だというのがあるので、それで見てみるとすると、きびしい見かたになってしまうのはあるが、いまの与党である自民党には創造性はほとんどなく、いまのところ期待のしようがない。

 参照文献 『創造力をみがくヒント』伊藤進 『徹底図解 社会心理学山岸俊男監修