アメリカは安心だとか、信頼できるとは言い切れない(日本がアメリカに思考停止でくっついて行くことの危険性)

 憲法九条があれば日本は平和だ、というのは幻想だ。それが言えるのはあるかもしれないが、それであれば、アメリカに日本がくっついて行けば平和や安全だ、というのもまた幻想なのではないだろうか。

 アメリカが日本を守ってくれるというのはたしかだとは言えないし、アメリカに日本がくっついて行くのは、平和や安全だというのではなくて、むしろ逆に危険をまねきかねない。

 アメリカが日本を守ってくれるということで、アメリカに日本がくっついて行くことで日本の平和や安全をとろうとするのは、日本の不安定さやぜい弱さをまねいているところがある。

 中国は危険だ、でもアメリカは安心だ、というのではなくて、アメリカもまた危険なのである。アメリカについて、信用するのではなくて、疑うことがいる。

 憲法九条というのは、それによって日本が平和になるというふうに直結するのではないとしても、少なくともアメリカの軍事の手さきに日本がなるのをまぬがれるはたらきをしていたのがある。アメリカの軍事の手さきに日本がなるのに、歯止めとなってまったをかけるということだ。

 アメリカについて行けば日本は安心だ、ということで、日本がアメリカの手さきになって、アメリカの傭兵(ようへい)や先兵のようになるとすると、日本にとってはなはだ危険なことなのではないだろうか。

 参照文献 『姜尚中にきいてみた! 東北アジアナショナリズム問答』姜尚中(かんさんじゅん) 「アリエス」編集部編 『私の「戦後七〇年談話」』岩波書店編集部編 『どうする! 依存大国ニッポン 三五歳くらいまでの政治リテラシー養成講座』森川友義(とものり)