テレビによる言論(表現)や報道の自由には構造の問題がある(テレビのニュースの報道や番組が権力チェックをすることへの期待のできなさ)

 テレビのニュースの報道や番組にはあまり期待がもてない。このさいの期待というのは、権力チェックについてだ。時の権力に介入されたりにらまれたりしてしまえば、時の権力にごまをすることになりやすい。主体性が欠ける。他に動かされる他律になりがちだ。

 個々の報道機関のそれぞれにおける努力に期待するというのはできづらく、そこには構造の問題がある。テレビについては放送法があって、中立の内容となるように努力目標が定められている。これが時の権力が言論や表現に介入する口実となる。空気を読まさせたり、忖度させたりすることになるのだ。そうかといって、めったやたらに時の権力のことを批判すればよいというものではないのはたしかだが。

 参照文献 『新・現代マスコミ論のポイント』天野勝文 松岡新兒(しんじ) 植田康夫 編著