ゴーン氏はかつてコスト・カッターとおそれられたというが、かたやいまの首相による政権や省庁の高級な役人は、国民の限りある税金を無駄に空費や乱用して、軍事などで必要性のねつ造をしているのがおそろしい

 日産自動車の元会長のカルロス・ゴーン氏は、日産に来たときにはコスト・カッターとしておそれられたという。たんにコストをばっさりと切っていっただけではなく、日産にとって必要だと見なせるもの(野球部など)は残すこともあったとされ、使い分けがされていた。

 ゴーン氏がかつてコスト・カッターとしておそれられていたのとひき比べて、いまの首相による政権や省庁の高級な役人は、使うことがいらないところ(軍事など)に税金を使い、使うべきところ(社会保障など)には十分に使わないというのが、見かたによってはおそろしいことだ。それとともに、国の財政の赤字(借金)が増えつづけているのも心配だ。これはいまの首相による政権の責任とばかりは言えないものではあるが。

 国の財政の赤字(借金)は、心配することはいらず、むしろ積極的に使っていったほうがよいのだという説もある。積極的に使って行かないことこそが害なのであって、経済をよくするためにはどんどん国の財政を色々なところにばらまくべきだという声もある。

 国はいくら赤字(借金)を重ねても大丈夫だという説が正しいのかどうかはわからないが、経済学ではただ飯はない(ノーフリーランチ)と言われるのがあるから、無からお金(有)を生み出す打ち出の小づちがあるとはちょっと信じがたい。もしそれがあるのなら、できるだけすぐに無税国家にしてほしいものだ。各種の公的な保険料もただになったら負担(とくに低所得者への逆進性)がそうとうになくなって楽になる。理想論としてはともかく、現実論としては無税国家はできないものではあるだろうが。

 参照文献 『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』飯田泰之