アメリカの大統領を批判せず、ただくっついて行くつもりの日本の首相のことを批判してみたい

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、平和をうながすのにそぐわないこともしている。それらを挙げて行くと、INF 全廃条約やパリ協定やイランの核合意からの離脱がある。エルサレムアメリカの大使館を移転したことで中東は混乱した。排外主義をとっていて、アメリカとメキシコの国境に壁の建設をしようとしている。

 これらのことがあるのだから、日本の首相がトランプ大統領のことをノーベル平和賞に推薦することはありえないことだし、日本国として恥ずかしいことだ。野党の議員はそう言う。

 野党の議員の言うことにたいして首相はこう返す。日本と同盟国であるアメリカの大統領にたいして、野党の議員は口を極めて批判をした。アメリカは日本の同盟国であって、同盟国の大統領に悪いことを言ってよいのか。

 アメリカは日本の同盟国だといっても、日本にとっての権威に当たるのではないし、日本の有権者アメリカの国の長を選んだのでもない。日本にとっては、自分たちの国の権威に当たるのではないのだから、批判をしていけないということはないものだろう。

 権力にただ従うのではなくて、権力を監視することがいるし、権力を分立させることによって、抑制と均衡(チェックアンドバランス)を働かせることがいる。民主主義によって国の長が選ばれるとしても、多数派の専制大衆迎合主義(ポピュリズム)におちいる危険さをくみ入れるようにして、国の権威であるからこそ批判を投げかけることがいる。

 自国である日本の首相は権威をもつが、それにたいして批判をするのはいることだ。日本にとってはアメリカは他国および同盟国に当たるからといって、批判を投げかけてはいけないとは見なせそうにない。距離をとって対象化することがいる。

 日本にとってアメリカは同盟国だからといって、べったりと一体化するのは距離のとり方がおかしいことだ。アメリカが大国だからということでしたがい、日本の周りの国には反日ということで冷たくあつかうのは、大に事(つか)える事大主義によるあり方だ。いくらアメリカが大国だからといって、日本はただついて行くのであれば、思考停止になりかねないし、他に流される他律によっている。

 参照文献 『政治の見方』岩崎正洋 西岡晋 山本達也