アメリカについて行って従うか、それとも完全に自立するか、という二つの道しかないとは言えそうにない(右の道か、左の道か、といったこととは言えそうにない)

 アメリカに従って(結びついて)やって行くか、アメリカから自立して行くか。そのどちらなのかと、テレビ番組の議論において、出演者が別の出演者に問いかけていた。そう問いかけられた出演者は、選択肢が二つだけなのはおかしいと言っていた。

 アメリカに従うか、さもなくば日本はアメリカから手を切って自立するか、の二つしかないのは、たしかにおかしいことである。すぐさま日本がアメリカから自立できないのであれば、アメリカの言うことに日本は黙って従うしかないというのは、個人としてはうなずくことができないものだ。

 かりにアメリカと共にやって行くにしても、ただ黙ってアメリカの言うことややることに従うのではなくて、おかしいところや文句を言うべきところははっきりと言うべきなのではないか。アメリカの益になることがすなわち日本の益になるとは言いがたい。アメリカと一体化するのではなく、対象化するようにして、距離をとることがないと、いいようにしてやられてしまうことになりかねない。

 いきなり一足とびにアメリカから自立できるのではないのはあるだろうけど、少しずつ日本の国として自立するようにして行くことはできる。日米地位協定のおかしなところを改めて行くなどして、自立の度合いを高めて行く。それを少しずつやって行くことができれば、穏当にことを運ぶことができる。アメリカのまちがった軍事主義や一国(単独)行動主義に、日本がただ従うだけになるのは、日本の国の思考停止なのではないだろうか。そうするのがどこからどう見てもよいとする見かたには、うなずくことができそうにない。