いまの首相による政権がやっていることにまつわる不確実性(まずいことになるおそれ)

 戦略的に無視して行く。韓国にたいして日本はそうすることも手だてとしてとるのだという。それでいうと、一般の話として、戦略的に何もしないということがあげられる。

 戦略的に何もしないよりも、戦略的(または非戦略的)に何かをしたほうがよいのだろうか。必ずしもそう言うことはできそうにはない。ものによっては、何かをやるよりも、戦略的に何もしない手のほうがのぞましいことはある。韓国との外交において日本はそうするのがよいというのではないが。

 何もしないというのは、一見すると消極的である。しかし、戦略的に何もしないことで比較的ましな結果になることはある。そのいっぽうで、何かをすることによってかえって悪くなることがある。何でもかんでもやればよいというわけではない。

 何もやらないよりかは、せめて何かをやったほうがよいではないか。少しでもものごとを進めたほうがよいではないか。そのほうが値うちがあると言い切れるものなのだろうか。これは必ずしもそう言い切れるものではない。

 何かをやらない(何もやらない)というのは、一見すると消極的だが、何かをやらないことによってぶつかり合いを避けるというのがある。合理的にぶつかり合いを避ける。それとはちがい、何かをやってものごとを進めると、相手とぶつかり合いがおきることがある。ぶつかり合いになってこちらが損をこうむることになりかねない。それゆえに、戦略的に何もしないという手のほうがよいことがある。

 いまの首相による政権は、自分たちが何かに着手したりやったりすることに価値があるかのようにしているが、何でもかんでもやればよいというものとは言えない。やることはとんちんかんで、やる必要のないことややらないほうがよいことをやって、やる必要のあることをやらないのでは、的を得た政治の行動だとは言えそうにない。