われわれ国民が選んだのが与党の政治家だ。国民は有権者である。そのわれわれが選んだ多数派が与党の政治家だ。その与党の政治家が決めたことには従うのがふさわしい。逆らわないようにする。はたしてこうすることは適したことなのだろうか。
国民である有権者が選んだことで、多数派になったのが与党の政治家だ。それはたしかだけど、与党の政治家は国民の代表の中の多数派であるのにすぎない。与党の政治家は、間接として国民である有権者の代わりをしているのにとどまる。
間接として国民を代表しているだけなのだから、国民の直接の声をそのまま言うわけではない。国民を代表している与党の政治家が、国民にほんとうのことを言わなかったり、国民のためにならないことをしたりすることがおきてくる。それらが絶対におきないという確かな保証はない。
与党の権力をになう政治家が、国民にたいして嘘をつく。これは、国民を代表している与党の政治家と、国民とのあいだに、意図のずれがおきてくることによる。
与党の権力をになう政治家は強者である。強者が(国民などの)弱者にたいして嘘をつくのは基本として悪いことである。与党の権力をになう政治家は強者なのだから、国民などの弱者にたいして嘘をつかないようにしなければならない。強者がつく嘘は、弱者にたいして被害をもたらすことがあるから、損をこうむるのは弱者である。
与党の政治家にたいして文句を言うのと批判をするのとは分けて見るようにしたい。文句を言うのはあまり生産的な意味はないことがあるが、批判をするのはそれとは異なっている。批判というのはわけ(理由)があって、こうだからこうなのだという形をとる。たんなる文句ではなく批判を投げかけられたのであれば、それにたいしてご飯論法や信号無視話法で逃げるのはのぞましくない。与党の権力をになう政治家は応答する責任(レスポンシビリティ)があるから、逃げないようにしてもらいたい。