議員の定数を増やしたほうがよいという説も言われている

 これまで政権をにぎってきて、議員定数を一議席でも削減してきたのか。野田佳彦元首相は、首相にたいしてそう迫った。首相はそれをかわし、旧民主党の時代に一議席でも削減したのか、と切り返した。

 国会の議員定数を削減するのは、まったくと言ってよいほどできておらず、参議院の議員の定数は増えているくらいだと野田元首相は指摘していた。

 国会の議員定数については、それを削減することがよいのだという前提条件のほかに、むしろ増やしたほうがよいのだという見かたもとれる。増やしたほうが国民の声を国会にうまく反映しやすくなる。

 数を減らすか増やすかとは別に、国民の声がきちんと政治に反映されていない問題があげられる。国民の声と権力をになう政治家とのあいだに大きなずれがある。大きなずれがあるのを何とかするために、できるだけ国民の声を正しくすくいとれるような選挙の制度に改めることがあるとよい。それが行なわれないのであれば、国民にたいして有効なことを行なってくれる政治をのぞめそうにない。どんどんと悪い方向へ進んでいってしまうことが危ぶまれる。