消費税を上げることと、経営コンサルタントの世界で言われる空と雨と傘の枠組み

 来年の秋から消費税を一〇%に引き上げる。首相はそれを決めたという。決めたとは言っても、新しい判断をして前言をひるがえすこともないではない。

 野党や新聞社などの報道機関は、なぜ消費税を一〇%に引き上げることをまずいことだとして騒がないのか、という声が投げかけられている。新聞社については、自分たちに軽減税率が当てはめられるからだという見かたがとられている。野党については、消費税の増税に反対している議員は少なくない。

 経営コンサルタントの世界で言われる、空(事実)と雨(見解)と傘(提案や判断)の枠組みを当てはめることができる。この枠組みをとるさいに、消費税を上げるのがまずいことだということができるだけではなく、逆に上げたほうがよいとすることが成り立つ。識者の中にはそういう見かたをとっている人がいる。

 消費税を上げるをよしとするのでは、社会保障や国の財政のために上げることが必要だとするのがある。また、いまの日本は景気がよいので、景気がよいときに消費税を上げるのはよいことでありまた必要なことであるという。

 空と雨と傘の枠組みでは、空が曇っていて雨が降りそうで傘がいるのか、それとも空が晴れていて雨が降らないので傘はいらないとするのかの二つのあり方がとれる。はじめの空が曇っているのかそれとも晴れているのかで、人によって見かたが異なっているのがある。そこから話がかみ合わなくなって、食いちがう。

 消費税という税そのものについて、負の価値だけのものなのかそれとも正の価値を含むものなのかのちがいがあり、前提条件を変えて見ることができる。消費税を上げるのがよいか、それとも上げないのがよいか、または下げたり廃止したりするのがよいのかは、それによってよい結果がおきると言える絶対の確証があるとは見なしづらい。仮定によっているところがある。