いまの社会のありようで、明るい顔をしているのは、政治家としてどうなのだろうか(でたらめな政治が行なわれているのがあるので、政治家であれば暗い顔にならざるをえないのではないか)

 党の総裁選の候補者は二人しかいない。どちらの顔で選挙をしたいか。暗いよりも、明るい方がよいのではないか。簡単にそういうことを言っている。自由民主党財務相は、首相は明るい顔であり、石破茂氏は暗い顔だとしていて、暗いよりも明るいほうがよいと言っている。

 たしかに、どちらかといえば、首相のほうが顔は明るく、石破氏は暗いかもしれない。しかし、首相だって暗い顔のときはあるだろうし、石破氏がいつも暗い顔をしているわけではないだろう。明るい顔のときもあるはずである。

 顔についてうんぬんするのは形式(外見)についてのことであり、それよりも実質(中身)がどうかを見るようにするのがよい。むしろ、明るい顔の人のほうこそ気をつけないとならない。人をだますさいには、人あたりをよくするのが欠かせないのがある。巧言令色すくなし仁と言われる。

 党の代表を代えるのであれば、代える前よりもよくなくてはおかしい。財務相はそう言っている。ここでもまた顔のことを持ち出している。いわく、もう一人(石破氏)の顔は、そうなる可能性があるのかどうかを、よく顔を見てもらいたい、とのことだ。財務相はそう言うが、顔を見たところで、それをもとにして判断するとまちがいになりかねない。

 財務相は、党の代表を代えるのであれば、よりよくなるのでないといけないとしているが、これは結果(帰結)論の見かたである。それとは別に、結果はどうであれ、きちんと義務を果たしているかどうかを見ないとならない。

 ごまかしやずるをして結果を出してもしようがない。不都合な結果は無視して、都合のよいものだけをとり上げて、結果が出たのだと言ってもしようがない。

 結果が出ているから、いまのところのぞましいことが行なわれているのだといっても、自尊心によってしまっているのがある。自尊心が強いと認知が歪む。それを改めるようにできればよい。

 財務相は、いまの政権で結果が出ているのだから、よいのだとしているが、必ずしもそうだとは見なせない。そこには自尊心の強さによる認知の歪みがはたらいている。いまの政権は結果を出しているからよいのだというふうにしたて上げてしまっている。色々と負のことがらがあるのにもかかわらず、それを隠ぺいして抹消している。

 いまの政権には色々と負のことがらがあるのだから、それを隠すのではなく、表に出さないとならない。問題を見つけて行くことがいる。いまの政権にはそれができていないし、やる気もない。膿(うみ)を出さずに抱えこんでいる。表面化していない負のことがらをちゃんと表に出すことができれば、いまの政権よりも、別の人のほうが価値は高い。