股関節周囲炎というのはそんなに簡単によくなるものなのだろうか(よくなったこと自体はよいことではあるだろうけど)

 西日本の豪雨の被災地を視察しに行ったさいに、首相は股関節の周辺を痛めたらしい。股関節周囲炎という診断だったようだ。病院に行って診断を受けて、それを公表するのは、国家の長としては異例のことであり、普通は診断の結果や病名は公にしないのだという。

 股関節周囲炎になり、それ以上の被災地の視察はとり止めになった。診断をくだされた直後は、首相は歩くときに足を引きずるようにしてかなりゆっくりと足をかばいながら歩いていた。それがほんの数日しか経っていないのに、国会の中をすたすたと普通に歩いているのである。これは不思議なことである。それで、政治の四コマ漫画の題材にもされている。

 あれだけ痛そうでつらそうに足を引きずってゆっくりと歩いていたのが、ほんの数日しか経っていないのに、まるで何ごともなかったかのようにすたすたと歩けるようになるのかがいぶかしい。股関節の周辺というのはよくわからないが、かりに股関節が痛いのだとすると、その部位は歩くさいに衝撃がかかるし、体の中心近くにあり、上半身の体重がかかる荷重関節の一つなのだから、そんなにすぐに治るものだとは見なしづらい。医学の専門的なところはわからないのはあるから、まちがった見かたではあるかもしれないが。

 ふつうは国家の長は診断の結果や病名を公にはしないところを、股関節周囲炎というふうに公にしたのだから、それが治ったのかどうかくらい告げ知らせるべきである。治ったのならこの時点で治ったのだとして国民にちゃんと言うべきではないだろうか。国民にいらぬ心配をかけているのであるから、おかげさまで治りましたというふうに言い、まったく不必要なよけいなご心配をおかけしましたというくらいは言ってもよいだろう。