イデオロギー(嘘)と悪運によって党内の多数派は勝つにすぎないのだから、たとえ負けて冷遇されるのだとしても、勝つもの(多数派)を批判するほうが正しくなりやすい(悪魔の擁護者になるべきである)

 負けた派閥は、冷遇を覚悟するように。自由民主党の副総理兼財務相は、そのように言ったという。自民党の中で、勝った派閥は厚遇されて、負けた派閥は冷遇される、ということだろうか。そうであるとすると、むしろ、冷遇されるからこそ正しいのだ、ということが言えはしないだろうか。正しいものというのは、えてして周縁に追いやられてしまうものである。中心にとって都合が悪いからである。

 勝つというのは数の力(その他の力もあるだろうけど)によるものだけど、力というのは正しいということを必ずしも意味するものではない。力(might)と正しさ(right)は切り分けて、別々にして見るのがふさわしい。経済の世界で勝っているのが大企業だけど、大企業のやっていることが正しいとは見なしづらい。まちがっていることをやっていながら勝ってしまったり力を持ってしまったりすることはざらにある。