日本人はみな、もののあはれを分有している。日本人にはどこかにもののあはれを見いだせる。愛国心や日本を愛するということよりも、そこを見るのはどうだろうか。日本人にもののあはれがあるというふうに見てしまうと、ステレオタイプにおちいってしまうのはあるかもしれない。
心理学者のユングは、普遍の無意識があるというふうに言っているという。そこから、人類に共通して当てはまるものとして、もののあはれがあるというふうに見なしてみたい。必ずしも日本にたいする愛国心や、日本を好きであることはとらなくてもかまわないとできる。日本にたいする愛国心や日本を好きであることに限定されない。日本という国や民族にかぎらず、色々なものにたいして、もののあはれをとることができる。