日本が好きだというのがじゃま立てをされるのが問題だというよりは、日本が好きだというのを上位におき、そうでないものを下位におくのがあるから、その不対等さを無視できづらい

 日本が嫌いな人がいてもよいとは思う。しかし日本が好きな人をとがめるのはやめたほうがよい。日本が好きで愛国心をもつ人の足をひっぱるなということである。タレントの人がテレビ番組でそう言っていた。別の出演者は、アメリカは右派も左派もアメリカ国旗を振っているのに、日本では日本国旗を振るのがはばかられるのがおかしいと言っている。

 日本が嫌いな人がいてもよいとは思うということだけど、好きか嫌いかの二分法でとらえたさいに、嫌いだと振り分けるのは必ずしもふさわしくない。日本が嫌いだから日本のことを批判するのではなく、日本のことが好きだからそうしていることがある。好きだからほめるというのをしたとして、ほめられたものがまちがいなくよくなるとは言いがたい。ほめることがあだになることは少なくない。

 アメリカの国旗は、たんにアメリカを象徴しているだけではなくて、民主主義を象徴したものでもあるという。民主主義をよしとする意思をとるためにアメリカ国旗を振っているのもあるそうだ。それに引きかえ日本国旗を振ることは民主主義をよしとすることにはつながりづらい。たんに日本という国をよしとするくらいのものだろう。なので条件がちがうので同じものとしては比べられないのではないだろうか。