働き方を改革するさいに、経済権力を振るうのと振るわれるのとの関係性の図式をふまえるのはどうだろう

 働き方改革では、図式として、権力を見ることができる。権力を振るうのと振るわれるのとの図式である。この関係性がどうなのかという論点をとることができる。

 権力というのは支配をするものである。経済権力があり、それを振るうのはもっぱら組織の上の者である。振るわれるのは組織の下の者である。権力を振るわれる、組織の下の者を手厚く守るようにすることがのぞましい。

 権力を振るうものである組織の上の者にではなく、下の者に焦点が当てられて、そこが抱えてしまうことになる色々な問題が聞き入れられるようにする。下からの声が聞き入れられるのではなくて、無視されてしまっている現状がいなめない。これでどうやってまっとうに改めることにつなげられるというのだろうか。

 経済権力を振るわれるのは、組織の下の者であるというのをしっかりとふまえる。そこを働き方改革の起点にするのはどうだろう。そのうえで、働き方改革をするさいに、何をやるのがのぞましいのかというのとは別に、何をやったらいけないのかというのを見なくてはならない。

 何をやったらもっとも悪いのだろうか。それは色々なことがあるかもしれないが、一つには、嘘をつくことである。嘘をもとにして改革を進めてはならない。なぜそうしてはならないのかというと、そうすることによってもっとも深刻な被害をこうむることになるのは、経済権力を振るわれる組織の下の者だからである。

 嘘をもとにするのは、上から演繹でものごとを進めるときに見られるが、そうではなくて、下から帰納で進めるようにするのがのぞましい。下からの声をきちんとすくいとり、それを受け入れるようにしてやって行くことがいりそうだ。そうでないと、創造的にものごとを進めることにはなりづらい。