嘘ではない本当のことを言う義務に反しているのであり、嘘を言ってよいという権利はないので、具体の義務に違反した学園が悪く、県が悪いわけではないと見なせる

 報告したことは嘘だった。学園は、担当者が県に嘘をついていたのだとしている。県は学園に(県への)謝罪ときちんとした説明を求めている。このことについて、学園が悪いのではなく、県が悪いというふうな意見があったけど、それはどうなのかという気がする。

 学園から報告されたことについて、県はきちんと改めもしないでそのまま受け入れたのだから、県が悪いのだという。この意見は筋ちがいであり、無理があるものだろう。嘘をついてはいけないのは大前提であり、その大前提を守ることがないとならない。それを守ることによってお互いを信用することができる。信用を裏切ることがあれば、裏切ったほうが悪いのはたしかだ。裏切られたほうが悪いというのはちょっとおかしい。

 嘘をつかないようにして、相手の信用を裏切らないようにすることで、円滑にものごとを進めて行ける。いちいち細かいところを改めていたらきりがなくなり、やることが煩雑になってしまう。それを避けるために、相手を信用しているのであり、それを裏切るのはそれなりの重みがあると見なせる。

 学園は、県に嘘の報告をしたということだから、それは県をあざむいたことになる。そのことについて、謝罪ときちんとした説明をするのはないとならないものだろう。謝罪ときちんとした説明もせずに、たんに報道機関にファックスを送ってそれでこと足れりとなるとは見なしづらい。県は、はいそうですかと納得するのはしづらく、抗議と批判をするのは当然である。学園が、自分たちの短期の利益を上げるために、県をだましたことになる。学園は功を焦っていたのだと言わざるをえない。