総理の関与は直接にはどこにも記されていない。いったい何なんだこの騒動は。騒ぎすぎであり、大げさに騒ぐのはおかしいというふうに、テレビの司会者は言っていた。この意見にはちょっと首を傾げざるをえない。
たしかに、総理の関与は直接には記されてはいないが、それは直接に記されていることに焦点を当てているからにすぎない。直接に記されていることをとり巻いている文脈(コンテクスト)を見ることがいる。とり巻いている文脈が決定的な意味をもっているのがある。なので、文脈を無視してしまうと正しく見ることにはなりづらいようになるだろう。
雨だれのようにして、お上の言っていることをそのままうのみにしてしまうのだと、ものを見まちがってしまいかねない。見まちがうのを防ぐためには、きちんと文脈までふくめて包括で見るようにするのがのぞましい。言外とか行間とかまでをも見ることがいる。
素直であっては、お上に都合のよいようにしてやられてしまう。表だって言われていることだけではなくて、その裏を見るようにできればよい。裏とか細部とかが大きな意味をもつのがあるから、中心をとり巻いている文脈も見るようにしたほうが、顕在だけではなく潜在しているものもとらえやすい。気をつけていてもだまされてしまうことがあるから、気をつけていないとなおさら危ないかもしれない。いつもいつも気をつけられているわけではないから、偉そうなことはあまり言えないけど。