魔法にかけられなければ出産をしなかった、ということなのだろうか

 魔法にかけられることで出産をした。加計学園獣医学部が新設されたことで、新しくできた獣医学部をそのように言いあらわす。入学式の場で、前愛媛県知事の加戸守行氏はそのように言っていたという。魔法というのは言い方としてどうなのかというのがあり、出産というのもまたどうなのだろうという気がする。だれが出産をしたのだろうか。

 辻潤という人のいろはカルタの中で、子はサンガーのミステイクというのがあると、思想家の吉本隆明氏が紹介していたのを見かけた。サンガーとはマーガレット・サンガーのことであるといい、産児制限をうったえていた人であるという。サンガーの言っているような産児制限に失敗することで子ができるというとらえ方である。

 加計学園の新しくできる獣医学部は、もしかしたらサンガーのミステイクかもしれない。人間の子どもであれば、生まれてくることは縁起のよいことであり喜ばしいことであるけど、獣医学部であればそれと同じとは必ずしも言えそうにない。ほんとうに必要性があったのかと、許容できるものだったのかが、十分に確かめることがないままに進められてしまったのだとすれば、過程に問題がある。できてしまったのだからよいではないかとは必ずしも言えないものだろう。