ハロウィーンと非暴力

 ハッピー・ハロウィーンとして、子どもたちにお菓子を配る。そうしたことを、神戸にある暴力団である山口組は毎年の恒例として行なっているのだという。報道の記事にある写真を見ると、仮装した子どもたちが山口組の建て物の門の中へ入って行っている。組員はそれを歓迎しているようだ。

 なぜ山口組の人たちは、ハロウィーンのもよおしを行なって子どもたちを呼びこみ、お菓子なんかを配っているのだろう。これは、近隣の住民を懐柔するための一つの手立てだと見なされている。心象をよくしたいとの思わくがあるわけである。

 なんでも、裏社会の極道の人たちは、あんがい子ども好きであることが少なくないそうだ。まだ邪気のない(少ない)子どもたちといっしょに遊び、童心にかえる。そうしたことをする人もいるのだという。この点をふまえてみると、必ずしも周りの住民の人たちを懐柔するための目的合理性によるのではなく、たんに子どもたちとたまにはふれ合いたいとする価値合理性によっているのがなくはない。そうしたのはあるかもしれないけど、だからといってよいことではないかもしれない。疑ってしまうようではあるが、子どもたちに万が一危険があるといけないことはたしかだ。