誰にでもできる仕事だから給料が安い、といってしまうと、決めつけのようになってしまいかねない

 保育士の人たちの給料は、なぜ安いのか。それは、誰にでもできる仕事だからである。そのようなツイートを、堀江貴文氏はしていた。これが一部で波紋を呼んでいる。

 給料の量を二つに分けると、高いかそれとも安いかとできる。そして、仕事については、誰にでもできるものかそれとも誰にでもできないものかの二つに分けられる。これらを組み合わせると、四つに場合分けすることができる。

 誰にでもできる仕事で、給料が安い。こうしたのが一つにはある。しかしそれだけではなく、誰にでもできない仕事だけど、給料が安いものもある。具体的にそうした仕事があるのかどうかといえば、おそらくあるにちがいない。ないとは言えないはずである。専門性が高いけど給料が安い仕事はあるだろう。

 堀江氏が言うように、誰にでもできる仕事だから給料が安い、とは必ずしも関連づけることはできそうにない。現に、誰にでもできる仕事ではないけど給料が安い例はあると見なせる。なので、反証できてしまいそうだ。

 誰にでもできるかどうかとは少しちがうだろうけど、その仕事に合う合わないみたいなのもありそうだ。その仕事に合っていて、なおかつその仕事が社会のなかで意義のあることであるのなら、それ相応の給料が支払われるのがのぞましい。それ相応の給料が現実には支払われていないのだとしても、そのかくある(このようにある)から、かくあるべしを導いてしまうのはちょっとまずそうだ。