内面の思想にまで踏みこんでしまうのはどうなのだろう(やりすぎな気がする)

 私は検察官だったので、嘘を見ぬく専門家(プロ)だ。日本ファーストの会の代表である若狭勝議員は、そのように息まいているという。安保法を肯定して、憲法改正をよしとする。希望の党への入党希望者がうわべだけでこれを言っているのであれば、たやすく見ぬく。その見ぬくことへの自信があるということだろう。

 若狭氏がもし嘘を見ぬくことに長けているのなら、政治家としてやって行くのはあまり理に合わないのではないかという気がする。というのも、いろいろな嘘が跋扈(ばっこ)するのが政治家の世界だと見なせるからだ。嘘とごまかしがなければとても立ち行かない。そのため、どうしても二重基準(ダブル・スタンダード)にならざるをえないようになる。あの嘘はよくても、この嘘はだめだとして、その基準が主観的なものになってしまいそうだ。

 嘘を見ぬく専門家は、嘘をつく専門家を見ぬけるのだろうか。いったいどちらに軍配が上がるのかは定かとはいえそうにない。矛と盾のどちらがよりうわ手かといったことになる。