夢の大きさの、論理とその作用

 夢を描くのはできるだけ大きいほうがよい。そのほうが、かりに 10割でなく、そこから差し引かれて 7割または 5割くらいしかかなわないとしても、もともと描かれたものが大きいのだから、受ける恩恵は大きい。

 ソフトバンクの社長の孫正義氏は、描いた夢の大きさが、おおむね比例するようにして現実に反映されると言っていた。大きければ大きく現実にはね返ってくるし、小さければ小さくしかはね返ってはこない。

 現実の皮肉さをふまえることもできる。大きな夢を描けば描くほど、それが反比例して現実に反映されてしまう。そして、小さければ小さいほど、それが正比例する。もしこんな法則がはたらいてしまうとすれば、凡人中の凡人であるあかしにほかならない。偉人は、大小によらず、一貫して正比例するのだろう。

 このように、凡人と偉人とを、まるで別な人間であるかのように分けてしまうのは、正しいとらえかたではない。同じ人間であるのだから、同じ法則がはたらいてしかるべきなのである。きっとはたらくはずなのだ。そうであるのなら、勇気づけられることはたしかである。しかし、期待とはうらはらに、一貫性のまるでない法則がはたらいたら、嫌だなあという気がした。