敵(遠)と友(近)の、異邦性と同胞性

 けものフレンズというアニメがあるようだ。恥ずかしながら、きちんと見たことはない。このアニメの主題歌を歌う人たちが、テレビ番組のミュージックステーションに出演していたそうで、そのさい、司会のタモリ氏にたいして、イグアナのフレンズだとしていた。イグアナのものまねの芸をやっていたからなのかな。それでいえば、4ヶ国語マージャンの芸もあるから、4カ国(中国や朝鮮半島の国など)とのフレンズでもありそうだ。

 英語にはそこまで通じてはいないのだけど、フレンズという語はよいものだなと感じる。当たり前ではあるが、いかにも友だちだということがありありと迫ってくるかのようである。たとえば花子という人がいるとすると、花子とその友だちは、hanako and her friends となる。このフレーズは、ひとかたまりでグループ化されていて、いかにも一人ではないといったつながりのありようが見てとれる。個で自立していながらつながっているというあんばいだ。and は等位接続詞だから、おたがいが対等でもある。

 なかには悪友というのもあるかもしれないから、そうであれば注意しないとならない。付き合う仲間しだいで、よくも悪くも自分が染まってしまう面がある。ありきたりではあるが、そのように言うことができる。友と見なすからこそ、あえて厳しいことを言ってくることもあるだろう。苦言を呈してくるから敵だとはかぎらない。そうしたことで、友と見なすことができれば、肯定的なものにもなりえる。ちょっとお花畑的な発想かもしれないが、友だちの友だちはみな友だちだ、とのタモリ氏のかつて言っていたことも、たまには思いおこしてもよいものかもしれない。