秘書の数

 自分につき従う秘書が 5人もいる。官僚組織から派遣されてきて、政府職員としてその役についている。こうした環境におかれていれば、たとえかんちがいをしてしまっても無理はないなと感じる。

 思想家のマルクスは、たしかこのようなことを言っていた。個人の意識は、その社会によって規定される。これを当てはめれば、自分の秘書が 5人もいるという状況によって、自分の意識が決められてしまうような面もあるのかも。

 完全に推測にすぎないのだけど、たぶん官僚組織から派遣されてきた秘書の人たちは、さぞ優秀なのだろう。そのうえ、性格が変に曲がっているということもなく、従順でもある(不純ではないという意味で)。忠誠の精神みたいなのをもつ。官僚というのは、そもそも行政の手足であるともされる。こうした面をふまえると、そうした人たちにとりまかれているのは、至れり尽くせりの感がある。いやでも、自分が主人みたいな意識を(たとえ持ちたくなくても)持たされてしまいそうだ。