性的いやがらせがおきる

 警察官が性的な不法行為をしてしまうのはなぜなんだろう。異性の同僚にたいしてやってしまう。そういうニュースをしばしば見かけるのである。これは、世の中の流れとは逆行していそうだ。今の時代、ふつうの会社とか行政組織では、男女のまちがいがおきないようにとても神経質な配慮がとられているという。同じ部屋に男女だけでいるのはだめで、もしそうしないといけないときは、部屋の扉を全開にしておく、などをすることがいる。いらぬ誤解を受けないようにするのが何よりだ。

 こうした配慮は少しやりすぎな気もしなくもないが、しかしそうとはいえないところもある。というのも、ひと昔前の会社なんかでの性的嫌がらせは、目にあまるものがあったと言われている。すべての人がやっていたわけではないだろうけど、ちょっとくらいならかまわないといったまちがった慢心が(男性側に)もたれていたことは事実である。

 警察官の組織というのは、まだ昔の空気の名ごりが残ってしまっているのではないかという気がする。今の時代では、ほかの会社や行政組織では、性的トラブルに対して過剰なくらいの配慮に神経を使っているところが少なくない。男女平等の世の中においては、そうした神経をできるだけ使ってゆかないと成り立たない。しかし警察の組織では、まわりの空気の変化にややとり残されてしまっているのではないか。

 警察は、人を取り締まるという権力をもっているために、それが腐敗してしまっているのが影響していそうだ。身内に甘いというのはちょっといただけない。ただ、あまり頭ごなしに責めるのもよくないかもしれない。現場で日ごろ職務にあたっている警察官には、ストレスや心労なんかが溜まる。そうしたものが、正常な判断を少し狂わせ、気をゆるめさせてしまうのに多少は関わっているのかもしれない。そうしたところのケアも欠かせないだろう。なるべく風通しのよい気風に変わってほしいものである。